本物の刃物(包丁)を使用した対刃物ストレス耐性強化訓練は、カパプ防衛館が追求する「現実から目を逸らさない護身哲学」を象徴する訓練のひとつです。
刃物による襲撃は、護身術の中でも最も危険性が高く、技術以前に精神的な恐怖が人の判断力と身体操作を大きく奪います。
万が一、ナイフや包丁を持った相手に遭遇した際、逃げる・避けるという正しい選択を行うためには、極度の恐怖の中でも冷静さを保つ能力が不可欠です。
パニック状態に陥れば、腰が抜け、脚に力が入らず全力で走れなかったり、足元がおろそかになって転倒したりする危険が高まります。
また、恐怖によって身体が固まれば、最低限必要なブロック動作すら行えなくなります。
カパプ防衛館では、こうした“恐怖による機能停止”こそが最大の敵であると捉え、刃物に対するストレス耐性を段階的に高める訓練を重視しています。
本物の刃物を用いた訓練は、決して技を競うものではありません。
刃の軌道、距離感、心理的圧迫を正しく認識し、その中で「動ける自分」を保つことが目的です。
そのため、この訓練は極めて高い危険性を伴い、刃物に関する深い知識と安全管理能力を備えた指導者の厳格な監督下でのみ実施されます。
カパプ防衛館の対刃物訓練は、勝つためではなく、生き残るための訓練です。
恐怖に飲み込まれず、冷静に判断し、最善の行動を選択する。
その力を育てるための、極めて重要な実戦的護身訓練なのです。






