精神的に興奮して暴れている人、周囲の人に危害を加えようとしている人、大切な家族や友人に襲いかかろうとしている人に遭遇した場合、相手を過度に傷つけることなく制止しなければならないこともあります。

カパプ防衛術では、このような場面への対処法として拘束術を用います。

危険な行動を止め、主に自分や周囲の人々の安全を確保します。

なぜ拘束術が必要なのか

現実の危機管理においては、「攻撃する」ことよりも「危険を制御する」ことが求められる場面が少なくありません。

例えば、

暴れている人物を落ち着かせたい

誰かに襲いかかろうとしている人物を止めたい

刃物などを持ってはいないが危険な行動をしている人物を制御したい

といった状況です。

このような場面では、打撃技だけに頼ると必要以上の怪我を負わせる可能性があります。

そこで重要になるのが拘束術です。

必要最小限の力で危険な行動を止める方法の一つがこのカパプ拘束術です。

死角からのコントロール

この拘束術では、まず相手の死角から接触します。

正面から向き合うと、相手の攻撃を受ける危険があります。

そのため、背後や側面など有利な位置を確保し、相手をコントロールします。

ここにもカパプの特徴である危機管理の考え方が表れています。

力比べをする前に、有利な位置を取る。

これは護身術だけでなく、危機管理全般に共通する重要な考え方です。

まずは両腕をロックする

相手に接触したら、まず両腕を上からしっかりとロックします。

腕は人間が攻撃を行うための主要な道具です。

パンチを出すのも、物を投げるのも、誰かを掴むのも腕を使います。

そのため最初に腕の自由を奪うことには大きな意味があります。

しかし、ここでカパプ防衛術は「腕を掴んで終わり」にはしません。

なぜなら、それでは単なる力比べになってしまうからです。

体格差や筋力差がある場合、腕力だけで押さえ続けることは困難です。

力任せの方法は長続きしません。

力比べを避ける合理的な発想

そこでカパプ防衛術では、素早く相手の手首や肘をコントロールしながら腕を折りたたんでいきます。

重要なのは、筋力ではなく人体構造を利用することです。

人間の腕は自由に動くようにできていますが、その反面、一定の方向へ折りたたまれると動きが大きく制限されます。

相手の関節や姿勢を利用しながら腕を畳み込んでいくことで、少ない力でも大きな制御効果を得ることが可能になります。

これはカパプ防衛館が重視する「合理性」の考え方そのものです。

上半身をスモールパッケージ化する

腕をコントロールした後は、さらに相手の上半身全体をコンパクトにまとめていきます。

「スモールパッケージ」の状態を作り出すのです。

人間は胸を張り、腕を自由に動かせる状態では強い力を発揮できます。

しかし身体を折りたたまれ、姿勢を崩されると力を発揮しにくくなります。

この状態になると相手の攻撃能力は大きく低下します。

重要なのは、相手を力でねじ伏せるのではなく、構造的に動きにくい状態を作ることです。

最後は安全に拘束する

相手の上半身をコントロールできたら、そのまま後方へ引き倒して拘束します。

危険な行動を止め、制圧して安全を確保します。

相手を制圧した後は、状況により警察や関係機関へ連絡するといった判断が必要になります。

カパプ防衛術は単なる格闘技ではありません。

イスラエル近接戦闘術KAPAPを基盤に、岩土代表が様々な武術・格闘技、さらに危機管理の知見を研究し体系化した実戦的護身術です。

その拘束術もまた、相手と力比べをするための技術ではなく、危険な状況をコントロールし、自分と大切な人を守るための技術として研究されています。

力に頼るのではなく、位置を取る。

筋力に頼るのではなく、構造を利用する。

それがカパプ防衛館が目指す拘束術の考え方なのです。