現実の暴力事件や粗暴犯による襲撃では、構えから始まるとは限りません。

むしろ多いのは、突然距離を詰められ、頭や首を抱え込まれるような攻撃です。

その代表例の一つがフロントヘッドロックです。

これは相手が正面から頭部や首を抱え込み、強引に締め上げたり、引きずったり、体勢を崩したりする行為です。

状況によっては首や頸椎に大きな負担がかかり、重大な傷害につながる危険もあります。

カパプ防衛術では、このような危険な攻撃に対して単に耐えたり足掻くのではなく、効率的に危険から脱出し、反撃して安全確保につなげます。

護身術の目的は生還

護身術で最も重要な目的は「生還すること」です。

そのため、首を抱え込まれた状況では、まず呼吸や姿勢を確保し、相手の支配状態から脱出することが優先されます。

危険な状況では恐怖で焦りがちですが、そのとき冷静な判断を失うことなく、自分が有利な位置を取り戻すことが重要になります。

まず急所である金的に一撃を加え動きを止めて、敵の腕の的確な部位を押さえて、無理なく背後へエスケープし腕を極めます。

エスケープから反撃へ

カパプ防衛術の特徴は、単なる脱出で終わらない点にあります。

危険な攻撃から離脱した後も、相手が再び襲いかかってくる可能性があります。

そのため、状況によっては相手の行動能力を制限し、安全を確保するためのコントロールします。

ここで重要なのは、力任せの発想ではありません。

腕を極めて前傾姿勢になった敵の後頭部に踵落とし、梃子を使ってテイクダウン。

その後は状況により制圧もしくは避難します。

現実の危険な場面では、相手を制圧するよりも、その場から離脱する方が賢明な場合も少なくありません。

安全確保と通報までが護身

危険な状況から脱出した後は、安全な場所へ移動し、速やかに警察へ通報することが重要です。

護身術はその場の攻防だけで終わるものではありません。

身の安全を確保し、その後の適切な対応につなげることまで含めて考える必要があります。

カパプ防衛館が目指す護身術

カパプ防衛館では、イスラエル近接戦闘術KAPAPを基盤としながら、様々な武術・格闘技、さらに危機管理の知見を研究しています。

その目的は、単なる戦い方を学ぶことだけではありません。

危険を理解し、冷静に判断し、自分と大切な人を守る力を養うことです。

力に頼るのではなく合理性を追求する。

技に執着するのではなく状況に適応する。

そして何より、安全の確保を最優先に考える。

対フロントヘッドロックも、そのようなカパプ防衛館の理念を体現する護身術の一例なのです。